コーポレートサイトの3つの役割と4つのメリット
コーポレートサイトとは、自社の紹介を目的としたWebサイトのことをいいます。
営業や広報に代わって自社の紹介をしてくれる重要な役割を担っています。が、目的が曖昧なまま制作してもその効果を十分に得ることはできません……。ではより高い効果を得るためにはどのような工夫が必要なのでしょうか?
今回はコーポレートサイトとはどんなものなのか。その3役割や目的。さらには、コーポレートサイトを作成する上で必ず知っておくべきポイントを紹介します!
コーポレートサイトとは
概要
コーポレートサイトとは、自社を紹介することを目的としたWebサイトのことです。例えば、顧客や採用候補者など、あらゆるユーザーに対して紹介することです、
そのため、一般的にコーポレートサイトは、会社概要や採用情報、サービス紹介で構成されています。なので、営業や広報担当者に代わって会社紹介を行う役割を担っています。
補足:Webサイトとホームページは、ほぼ同義と考えて問題ありません。
Webサイトとは、Webページの集まりのことです。一方、ホームページとは、もとは、Webサイトを立ち上げた時に最初にくるページを指していました。(現在ではファースト・ビューと呼ばれることもあります)今ではそこから派生して、Webサイト全体を指す言葉となっています。
事業内容や自社の商品を知ってもらうことが目的の企業のWebサイト。これが、コーポレートサイトです。2020年における総務省の調査によると、コーポレートサイトを持っている企業は90.1%にのぼります。なぜなら、コーポレートサイトは、今や事業を行ううえで欠かせない存在となっているからです。
気になる企業があれば、スマートフォンですぐに企業のサイトを調べるという人も多くいます。企業のサイトがあると、信頼性の獲得・お問い合わせにつながり、商品を認知してもらえる機会が増えます。
コーポレートサイトとサービスサイトの違い
サービス紹介ページなどがありますが、コーポレートサイトに紐づくものであり、サービスサイトとは別物です。なぜなら、サービスサイトとは、企業のサービス紹介を目的とした独立したWebサイトのことを指すからです。
ですので、別ドメインで新たにサービスを紹介するWebサイトを立ち上げた場合、サービスサイトという位置付けになります。
コーポレートサイトの3つの目的・2つの役割
1.顧客にサービスや商品を伝える
顧客に対するコーポレートサイトの役割は、自社のサービスや商品に関する情報を総合的に知ってもらうことです。自社サービス・商品の魅力や、そのサービス・商品を提供するに至った沿革、経営理念とのつながりを伝え、興味と信頼感を持ってもらうことが大きな目的です。
コーポレートサイトでは、特定のサービスや商品のみでなく、展開している事業全体をひとつのサイトの中で見てもらえることがメリットです。「特定のサービスに興味を持ってコーポレートサイトを訪問したが、サイト内でもっとニーズにマッチするサービスを見つけた」という場合も考えられ、顧客との新たな接点にもなり得ます。
幅広く事業展開をしている企業は、すべてのサービスの詳細を掲載すると情報過多で見づらいサイトになってしまう可能性もあります。必要に応じて、新たにサービスサイトを立ち上げることも検討できるとよいでしょう。
2.求職者に自社の魅力を伝える
求職者に対しては、コーポレートサイトの情報を通じて「この企業で働いてみたい!」と思ってもらうための役割を果たします。
多くの求職者は、就職を検討している企業のコーポレートサイトを確認して情報収集を行います。募集しているポジションや条件などの最低限の情報だけではありません。例えば、実際に働くイメージを抱きやすい社員インタビューなどのコンテンツも掲載することをおすすめします。
そのほか、企業としてどのようなビジョン・ミッションを掲げているのか。どのような社内制度があるのか。など、幅広い情報を提供できるよう心がけましょう。
採用に関するコンテンツが増えていく場合は、管理のしやすさなども考えましょう。サービスサイト同様に新たなドメインで採用サイトを立ち上げてもよいでしょう。
3.株主や投資家へ企業価値を伝える
上場企業であれば、株主や投資家に向けて情報提供をすることもコーポレートサイトの重要な役割のひとつです。株主や投資家にとってコーポレートサイトは、投資に足る企業か否かを判断するための情報を得る場所です。
法定開示・適時開示やプレスリリース配信サービスを通じて情報を発信します。そうすることにより、企業サイトにIR情報を集約していきます。なので、一覧性が高まり株主・投資家にとって意思決定がしやすくなります。
また、財務や業績に関する数値だけではないです。企業理念や経営方針、市場動向などの非財務情報についても掲載しましょう。多角的な情報から企業の成長性を感じてもらえるサイト作りを目指したいところです。
続いてコーポレートサイトの目的や役割についてみていきましょう。ここでは以下2つをコーポレートサイトの役割として紹介します。コーポレートサイトの目的・役割
- あらゆるユーザーのニーズに応える
- 広報としての役割を持つ
それぞれ詳しくみていきましょう。
あらゆるユーザーのニーズに応える
コーポレートサイトには、さまざまなユーザーが訪れます。例えば
- 商品の購入を検討している企業の人
- 採用面接を受けようと考えている人
- 自社ブログの読者
- IR情報を知りたい人
コーポレートサイトは上記のようなユーザーに対して適切なコンテンツを用意し、ニーズに応えるという役割があります。例えば、商品の購入を検討している企業の人に対しては商品の紹介ページが必要ですし、採用面接を受けようとしている人に対しては、社員紹介や採用情報が載っているページが必要です。
このように、コーポレートサイトに訪れる可能性のある、お客さまになるうる層や採用したいターゲット層にとって必要なコンテンツを揃え、ニーズに応えるのがコーポレートサイトをおく目的になります。
コーポレートサイトは広報のような役割を持つ
上記で挙げたようなお客様になりうる層や採用したいターゲット層に目を向けたデザイン・コンテンツ構成のコーポレートサイトは、それだけで自然と広報のような役割を担ってくれます。
企業自体を商品に見立て、ターゲットにどうアピールするかといった視点でコーポレートサイトを制作すれば、従業員に代わって自社のアピールをしてくれる強い味方になります。
企業の第一印象はコーポレートサイトで決まる
コーポレートサイトにおいても重要な考え方は、「第一印象で全てが決まる」と言われます。コーポレートサイトは、未来のお客さん・あるいは一緒に働く仲間との一番最初の接点になりえます。
例えば、あなたが転職活動をしているとき、情報量が少ない・デザインが美しくないサイトに行き着いたとします。そこで見たサイトが、おそらく、あまり良いイメージは持ちませんよね。気になっていた会社でも、「あまり情報が載ってないしよくわからないからやめておこう」となってしまうかもしれません。
一方で、会社情報や事業内容、理念やメンバー紹介といったコンテンツが充実しており、自社の雰囲気をしっかりと反映させたデザインのコーポレートサイトであればどうでしょう。会社への信頼度が上がり、「気になるから応募してみよう」と次のステップにつながる可能性もあります。
このように、コーポレートサイトは見えないところで企業を印象づけている、ということを理解しておくことが重要です。コーポレートサイトのデザインにおいても、真面目な印象のデザインにするか、砕けた印象のデザインにするかで、応募してくる人物像は異なってくるはずです。
コーポレートサイトを持つ4つのメリット
もう少し具体的にコーポレートサイトを持つことでどんなメリットがあるのか紹介してきます。コーポレートサイトを運営することには、4つのメリットがあります。
ネット上の企業広告となる
コーポレートサイトをうまく活用すれば企業の宣伝にもなります。それにより、低コストで広告効果を得ることも可能です。なぜなら、現代は誰もがスマホ片手に生活しているからです。そのため、インターネット上での広告活動を行わない手はありません。
新規顧客に対しては、どのようなことをしている会社なのか。なにを販売しているのかを知ってもらえます。既存顧客に対してはコーポレートサイトを使った企業ブランディングにも利用できます。会社への愛着や信頼を得られ、顧客ロイヤリティを高めることにつながります。会社のファンづくりにつながるということですね。
人材の採用にも有効
日本では少子化が進んでいて、労働力の減少が深刻な問題となっています。そのためより優れた人材を確保することは、どの会社にとっても大きな課題です!
求職者の多くは、求人ポータルサイトに限らずコーポレートサイトにもアクセスします。そのとき、どのような事業を行う会社なのか。どのような雰囲気の会社なのか。をチェックします。そのため、より魅力的なコーポレートサイトをつくります。そうすれば、会社が望む優秀な人材を得るチャンスを拡大できます。
コーポレートサイトの作成は、求職者の心、会社の未来をつかむためにも必要不可欠です!
ビジネスチャンスにつながる
ビジネスチャンスをつかみ取る上で重要な役割を果たすのがコーポレートサイトです。料金設定、事業例、お客様の反応などをわかりやすく掲載します。そうすると、印象がよくなり信用も得られるため、ビジネスにつながりやすくなります。
サイト内にお問い合わせ先を載せておくことで、インバウンド率も上がります。郵送や電話などと比べると、コーポレートサイトでの営業活動は手間が省けます。さらに、対応も即座に行えることもメリットのひとつです。
カスタマーサポートがスムーズになる
お問い合わせフォームをコーポレートサイトに設けます。そうすると、顧客からのお問い合わせにスムーズに対応できるようになります。ひと昔前は、顧客とのやり取りを電話や書面などで応対しておりました。そのため、時間がかかっていました。
一方で、現代では、ネットが普及しています。なので、リアルタイムで対応できるチャットでのサポートが主要になってきています。社員によるチャットでのサポートはもちろんあります。最近ではAIを利用したチャットボットも普及してきています。
スムーズな対応は顧客の満足度を高め、さらなる顧客の獲得につなげられます。また、会社としても電話対応の手間を省けるようになります。そのため、サービスの拡充などに力を注ぐ時間を確保できるようになります。まさに一石二鳥というわけです!
コーポレートサイト作成時に必要なコンテンツ一覧
コーポレートサイトの構成に必要なコンテンツを一覧表としてまとめました。一覧表の後に、各コンテンツの詳細を記載しているので、合わせてご覧ください。
項目 | 必須or推奨 |
---|---|
会社概要 | 必須 |
サービス/商品の説明 | 必須 |
IR情報 | 必須(上場企業の場合) |
個人情報保護方針 | 必須 |
サイトマップ | 推奨 |
採用情報 | 必須(採用している場合) |
代表メッセージや社員の紹介 | 推奨 |
スタップブログ | 推奨 |
実績一覧 | 推奨 |
お客さまの声 | 推奨 |
最新情報 | 推奨 |
よくあるお問合せ | 推奨 |
問い合わせ・資料請求フォーム | 必須 |
コンテンツが充実していなければその効果を十分に得ることはできません。例え、どれほど凝ったデザインのコーポレートサイトを作っても。コーポレートサイトには、「目的」を明確にした上でコンテンツを構成していきましょう。
会社概要
まず設置すべきコンテンツは会社概要です。会社概要には、次の8つの項目を明記しましょう。
- 会社名
- 代表者名
- 所在地
- 資本金
- 設立日
- 事業概要
- 取引銀行
- 役員名
このほか、電話番号やFAX番号、従業員数、主要取引先、関連企業などの情報を追記します。そうすると、より信用度を高められます。表にまとめるなどして見やすく掲載することを心がけましょう。
サービス/商品の説明
顧客を獲得するために充実させたいのが、サービス/商品の説明に関するコンテンツです。主要なサービス/商品の魅力を余すことなく伝えることはもちろん、サービス/商品の特徴やスペックを事細かに記載します。
多くのサービス/商品を取り扱っている場合には、複数のページに分けて掲載するなど、顧客が使いやすいWebサイトづくりに努めましょう!
IR情報
上場企業の場合、必須のコンテンツです。具体的には株式情報、財務情報などの資料、投資家向けのメッセージなどを掲載しましょう。
個人情報保護方針(プライバシーポリシー)
企業の信頼を高めるために必須のコンテンツです。コーポレートサイトのフッダー部分にリンクを置きましょう。さらには、問い合わせフォームにもリンクを貼っておくようにします。
サイトマップ
サイトマップ2種類を用意します。ユーザー向け、検索エンジンのロボット向けです。手動で作成するのは大変です。なので、Wordpressであるのなら、プラグインで自動で作成をオススメします。
採用情報
採用情報もコーポレートサイトに掲載すべき重要なコンテンツのうちのひとつです。コーポレートサイト上では、自由に自社の強みをアピールできます。社長や先輩社員からのメッセージや業務内容なども載せることも有用な方法です。
より優秀な人材を得たいと考える。そうであれば、コーポレートサイトに掲載する採用情報こそ拡充するべきです。
代表メッセージや社員の紹介
良い印象付けするために掲載したいのが、代表メッセージや社員の紹介です。
代表者の笑顔の写真とともに会社の理念やビジョンを掲載します。さらに、楽しそうに仕事に励む社員たちの姿を紹介しましょう。そうすると、多くの人が「この人と仕事がしたい!」と思ってくれるはずです!
スタッフブログ
会社の魅力をリアルタイムで発信できる、スタッフブログの記載をオススメします。なぜなら、コーポレートサイトへのアクセスを伸ばすコンテンツになるからです。
社員のつれづれなるままの日常を書き込むブログに書き込みます。そうすると、顧客に親近感を抱いてもらえます。また、会社の事業を随時報告する形式にすれば、会社の真面目さをアピールできます。
さらには、お客様となりうるターゲット層に対して情報を発信するとします。そうすると、そこから問い合わせにつながる可能性もあります。
実績一覧
コーポレートサイトには企業の実績を紹介するページをつくりましょう。販売実績や開発実績など、掲載する実績の数が多ければ多いほど良いです。内容も数字や取引相手の社名など、具体的に挙げることで信用度が上がります。
文字だけではなく画像も駆使し、多くの人に興味を抱かせる企業実績ページをつくりましょう。
お客様の声
一緒に仕事をした会社について掲載すると、顧客が仕事内容をイメージしやすいです。そのため、実際の事例を知ることで安心感も抱いてもらえます。
Web制作の会社であれば制作したWebサイトを紹介するなど、実際に行った仕事について解説します。「どのように顧客と出会い、どのようなプロセスを踏んで事業を進めていったのか?」その流れをストーリー仕立てで紹介しましょう。そうすることにより、同じように仕事をしたいと思ってくれる顧客を獲得できます。
また、インタビューやセリフ形式で掲載するとリアリティが増します。お客様の声を掲載する際のポイントは、よい評価だけではダメです。あえて厳しい意見も掲載することで、信頼が得られます。
最新情報
新しいサービスや製品についても、コーポレートサイト上にその都度掲載していきましょう。
トップページの目立つ場所に日付とともに掲載し、詳細が記されているページにリンクをとばす形が最も一般的です。最新情報の更新が多ければ多いほど、マメな会社であるということを印象づけられます。
よくあるお問い合わせ(FAQ)
顧客から寄せられそうな問い合わせについては、よくあるお問い合わせページを設けます。そうすることにより、答えとともにあらかじめ掲載しておきましょう。
よくあるお問い合わせページがあれば、顧客はわざわざ問い合わせをせずに済みます。そうすると、会社としても何度も同じ問い合わせを受けずに済みます。
お問い合わせフォーム・資料請求フォーム
お問い合わせフォームを設けておけば、顧客対応をスムーズにこなせます。疑問がわいたときに24時間いつでもお問い合わせフォームから問い合わせできるということで、顧客は安心感を得られます。
ちなみに、このお問い合わせフォームのページにFAQページへのリンクをつなげておきます。そうすれば、顧客対応をますますスムーズなものにできるので、ぜひお試しください。
よくある質問
コーポレートサイトの役割は?
コーポレートサイトの役割は、ニーズに応えることです。そのためには、訪れるすべてのユーザーに対して適切なコンテンツを用意する必要があります。コーポレートサイトは未来のお客さんや一緒に働く仲間との一番最初の接点になりえます。なので、見えないところで企業を印象づけています。
コーポレートサイトを持つメリットは?
ネット上の企業広告になる。人材の採用に有効になる。ビジネスチャンスにつながる。カスタマーサポートがスムーズになるといったメリットがあります。
コーポレートサイトにはどんなコンテンツを掲載すればいい?
会社概要や事業紹介、個人情報保護方針や問い合わせページ、採用情報といったコンテンツが必要になります。
まとめ
コーポレートサイトとは、会社概要、商品やサービス、採用情報までの情報を発信しているサイトです。
コーポレートサイトは、企業情報や自社商品などの情報が掲載された、いわば企業の顔となるものです。コンテンツが充実していると、自社商品やサービスへの申し込み数や採用活動の応募者数を増やせるメリットがあります。
自社で作成すると手間や時間がかかります。制作依頼を外注すると、手間と時間を省くことができるのはもちろん、適切な構築を行えます。